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究極の下積みとはこれだ!!落語界の身分制度と前座から学ぶこと

 

誰にでも下積み時代と言われるような時期があったと思います。(もしかするとこれから?)


会社で上司に怒られたり・・・


部活で観客席で精一杯応援したり・・・


私は今が下積みでしょうか?

(ブログは100記事書いてからが本番なんてよく言われます。)


それぞれ色んな方に下積み時代があると思いますが、その下積みが今の自分を支えくれているなんて話もよく聞きます。


実は、『これぞ下積み!』というような職があります。


それは落語家の見習い・前座時代です。


前座ほど顕著に下積み感が出るものはないと私は思います。


前座を含めた、落語の階級制度について紹介していきます。

 

 

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前座とは?


先ほどから前座前座と言っていますが、前座とはなんでしょうか?


前座とは師匠宅の家事・雑用の他、寄席での雑用をする身分のことです。

 

また客席の雰囲気を温める役割でもあります。

落語界における身分制度


①見習い

 

弟子入りを志願し、それを師匠に認められたら見習い認定となります。

 

前座になるためには、師匠から高座名をもらわなくてはなりません。(三遊亭○○とか古今亭△◻︎とか)

 

前座になるまでは楽屋に入ることも許されないので、師匠の家で師匠・その家族のために家事などの下働き・雑用をします。

 

昔は師匠の家に住み込みだったそうですが、今は師匠の家に通う人の方が多いようです。


②前座

見習いの仕事に、さらに寄席での仕事が加わります。

 

前座の中でもさらに、分かれており、若い順から見習い前座・中堅前座・立前座に別れています。

 

立前座に近づくほど重要な仕事を任されます。

 

見習い前座

見るだけ

1、2週間は楽屋の様子を見て勉強します。


着替えと着物たたみ

二つ目以上の噺家、演者さんの着替えの手伝いと着物をたたみ、かばんにしまいます。

 

このとき、師匠によってたたみ方が異なるため、師匠のたたみ方を覚えなければなりません。


お茶出し

 

師匠の楽屋入り、下りたときの最低二回はお茶を出します。これも師匠によってお茶の温度を覚えなければなりません。


高座返し

高座にある座布団をひっくり返します。

 

わざわざひっくり返す意味は、もし自分の前の演者がウケなかったとき、その空気のまま自分も行くと縁起が悪いので、リセットするためにひっくり返すそうです。

中堅前座

 

太鼓叩き

開演5分前の二番だいこ、開演の太鼓、終演の太鼓を叩きます。この太鼓の叩き方にもまた上手い下手が現れます。


立前座

割を渡す

師匠方に割(ギャラ)を渡します。

 

ネタ帳

寄席では同じようなネタはできないことになっています。(子供が出てくる落語であれば、一度誰かがやったら子供のネタはできない)

だから毎回、やったネタを記録することでネタの被りがないようにします。

 

開口一番

 

寄席が始まる最初の一席を受け持ちます。

 

③二つ目

 

3〜4年の前座修業を終え、やっと二つ目に昇進できます。

 

二つ目は落語社会で一人前と認められたことになります。

 

今までの師匠宅での雑用や前座仕事はしなくてもよくなります。

 

自分の時間・労力を自分のためだけに使うことができます。


自分の落語会を主催したり、自分で営業などの売り込みをすることができるようになります。

 

ただ、仕事は自分で探して来なければならないため、実力のある二つ目は仕事をたくさんもらえますが、サボるとどこまでも仕事をもらえない可能性もあります。


前座仕事がなくなっても、自分の修行を怠ると自分に返ってくるということですね。

 
④真打

落語界最高の称号です。

 

寄席で主任(とり)を務めることができるため、長い演目を演じ切る技術やどんな演目もこなせる力が必要不可欠となります。

 

また真打になると、『師匠』という敬称で呼ばれ、弟子をとることも許されるようになります。

 

また真打昇進の際には必ず興行が行われ、興行が行われなければ、真打とは認められません。

 

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柳家小三治さん(真ん中)の真打興行。左には柳家小さん師匠

 


実はこの真打昇進をめぐって、1978年に大騒動が起きました。

当時の落語協会の会長、柳家小さん師匠らが行った真打大量昇進に対して、『真打は落語家の最終目標だ』という考えの六代目三遊亭圓生師匠が対立。

 

結果として、落語協会が分裂し、前会長の三遊亭圓生師匠が落語協会を脱退し、新団体の落語三遊協会を設立しました。

 

しかしながら、圓生師匠の急逝により落語三遊協会は自然消滅しました。

 

これを『落語協会分裂騒動』と言います。(ここ、テストに出ますよ?)

 

この事件と関連して、実は立川談志さん率いる落語立川流という新しい団体が誕生しました。

 

真打昇進の事件後、今までは師匠による推薦が真打昇進の条件でしたが、『真打昇進試験』が導入されるという話が出てから、立川談志さんが激しく批判し、落語協会を脱退し、立川流を設立しました。

 

 

 

立川流騒動記

立川流騒動記

 

 

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落語界におけるスーパー前座とぽんこつ前座

 

落語社会では一人前とも思われない、半人前の前座時代。

 

この前座の中でもやはり、『できる』前座と『できない』前座。

 

スーパーかポンコツかは分かれてしまいます。

 

ただ、非常に面白いのが、今売れている落語家さん、または名人と言われた落語家さんが全員『スーパー前座だったか』と言われるとそうではありません。

 

むしろ、『前座の時は全く使えなかったのに、二つ目になった瞬間、才能を開花した』なんて人もいます。

 

現在、人間国宝に認定された十代目柳家小三治師匠もそのうちの一人だと聞きました。

 

これはどの世界でも一緒ですが、若い頃どれだけ失敗しようがポンコツだと言われようがどこで花開くかは分からないものです。

 

早熟タイプもいますし、晩成タイプもいるよってことです。

 

もしあなたが、結果が出なくて悔しい思いをしているなら、今寄席の楽屋で頑張っている前座の姿を思い浮かべてみましょう。

 

彼らもあなたと同じように、悔しい思いをしながら努力しているのです。

 

まとめ

 

何事もまずは下積みから。

 

下積みとは、『ただ苦労をする期間』と捉えがちですが、本当はそうじゃないと思います。

 

下積みは小さなことをコツコツ積み重ねるから『下積み』なんじゃないしょうか?

 

ただ苦労するだけじゃいけません。そこから学ばないと。

 

まるで小石を積み上げて、最後には城を建てることができるくらいになっていたなんてかっこいいですね。

 

 

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