ヨンスのひと笑い

落語によるひと笑いと普段感じている笑えないことを発信していきます

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落語【火焔太鼓】part2

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へ~~~い!
ははは!またおじさんとおばさんで喧嘩してやがんだ、嫌になっちゃう本当に!
・・・ゴホゴホッ!こりゃ本当だ!汚ねえな!ホコリで向こうが見えねえや!
おじさんこれずいぶん汚いね!
おめえまで言うこたぁねえ!早くホコリはたけばいいんだい!早くしろ!
へい!・・驚いたなぁこりゃあ・・どんどんどんどんどん・・
あっ、面白え音がなるなぁ・・どんどんどんどんどんどんどんどん・・・あはっ!こりゃあ面白え!
どんどんどんどん!どーんどーんどんどんどん!
てめえのおもちゃに買ってきたんじゃねえぞこん畜生!ホコリをはたけ!
はたいてんだよおじさん!ホコリははたいてんだけどね?あのふちんところを掃ってるだけで音がしてくるんだから変な太鼓だよ、この太鼓は!おじさん見ててご覧!?
どんどんどんどんどんどん・・ねっ?どどんどんどんどんどん!どーんどーんどんどんどん・・・
まだやってんのか畜生!いいかげんしろ馬鹿!
許せよ・・・
あっ・・どうも・・お武家様・・どうもいらっしゃいまし!何か?
うむ・・今太鼓をならしておったのはその方のうちか?
え?えぇぇ・・左様でございますが何か?
御上がお駕籠でご通行の折に太鼓を鳴らしておったのはその方のうちに間違いはないな?
え・・えぇ・・
引っ込んでろこっち・・馬鹿、間抜け・・太鼓たたきやがって・・畜生・・
えぇ~あの~あたくし共なんです・・で、でもあのぉあたくしじゃあない、こ、これがやったんです!こいつがやりやがったんです!
ホコリをはたけって言うのにたたきやがるんですよ!親戚から預かってるんですがね、もうどうにもしょうがないんですよ、怠けてばかりいましてね?もう人間が馬鹿ですから!顔をご覧なさい!馬鹿な顔をしてるでしょ?
あれはバカガオと申しましてね?夏になんかすると咲いたりなんかする・・えぇ!どうにもしょうがないんです!もう~とにかくね!はたけってのにたたきやがったんですよ!はたけとたたけが分からねえんですから!
あんな大きな図体してますがあれはまだ11でございます、子供のしたことですのでどうぞご勘弁をお願い申し上げます
いやぁ太鼓を鳴らしたのをどうのこうの申すのではないがな、御上がお駕籠の中でお聞きになってな、『どのような太鼓かみたい』とこうおっしゃっておる・・ことによるとお買い上げになるやもしれんぞ?
ああそうっすか・・へぇ~・・どうも、あいつがたたいたんです!
うむ、親類の者・・
そう!親類なんですよ!よく働くんですよ?これがまた!人間が利口ですから!ほら見てごらんなさい!いい顔してますよ!もう今年15になるんです!
最前11と申したではないか!
11の時もあったんです!
何を申しておる・・早速屋敷に持参をしてもらいたい!
へいかしこまりました!で、お屋敷はどちらでございますか?へえ・・へえへえ・・あぁよく存知ております!かしこまりました!
どうもありがとうございます!どうも・・
ほら!見てたか!?店に出すか出さないかのうちにぱぁ~っと売れちゃったじゃねえか!
売れやしないよぉ!本当に・・なんにも知らないんだからお前さんは・・だからお前さんはいつも損ばかりすんの!なんか人に言われるとすぐその気になるんだから・・
いいかい?あのねえ、話はよ~く聞くんですよ?向こうで何とおっしゃったい?お駕籠の中で音だけ聞いてんだよ?お殿様は・・ね?
きっと金巻でもしてあるどんなに綺麗な太鼓だろうなぁと思ってるところへ、あんな汚いすすの塊みたいなもん持ってってご覧?
こんな汚いものを持ってくる無礼な道具屋、その道具屋帰すでないぞ!』、若侍がきて『貴様こっちへ来い!無礼者!』お前さんの襟ッ首つかんで、『こっちだ!』ってんで途中でポカポカぶたれたりしてね?
庭行くと大きな松の木が植えてあるんだから!そこへ連れていかれて『貴様はここにいろ!』ってんで縄でぐるぐる~っと縛られて当分の間帰って来られないんだよ!?ねぇ!ざまぁみやがれぇ!
・・・う~ん・・・行くのよそうかなぁ・・
行くのよそうかなって行っちゃったんだからしょうがないじゃないか、そんなこたぁないよ!ないけどもね?すぐにお前さんが売れた売れたって喜んでいるからあたしがね、そう言ってやるんだよぉ!
なんでも人間ってのは内輪内輪に思ってなくちゃいけないんだよ?お前さんはなんか言われるとすぐその気になるんだから・・・だから太鼓を売りに行くんだなんてそんなこと思っちゃいけないよ?
太鼓を見せに行くんだと、それで万が一、お向こう様で『道具屋この太鼓はいくらだ』と言われた時に、そこでお前さんはノーテンキだから色んなこと言って儲けようと思うだろう?それがしくじりの元なんだから・・いいかい?ね?
これは一分で買ってまいりました、口銭はいりませんってんで帰ってきちゃうんだよ?儲けなくったっていい、元が取れりゃあいいんだから!
あんなものはそれより上で買いっこないからさ!一分だったらそのうちなんとか帰って来られるから、いいかい?そうやって売っちゃうんだよ?分かったかい?
うぅん・・そうかい、分かったよ・・
分かったね?
分かった!じゃあ行ってくらぁ!じゃあちょっと太鼓を背負わしてくれ太鼓を!
もう~世話が焼けるんだから本当にもう・・・大丈夫かい?
あぁ大丈夫だ・・今日は俺ぁひとつぐっとな
ぐっとじゃないよお前さん、行く前に言うことばかり大きいんだから・・いいかい?損さえしなきゃいいよ!?
その代わり損するってと大変だよ?お前さん当分の間ご飯食べさせないよ?
どうして?
どうしたってそうなんだよ、お前さん口で言っても分かんないだから!食べ物で教えなきゃだめなの!
何言ってやがんでい!大丈夫だよぉ!
大丈夫じゃないよぉ・・だから今あたしが言ったろ?とにかくものは内輪に思いなさいよ?一番いけないのは自分で『ああ俺は一人前だな』と思うのがこれがいけないんだからね?
ああ俺は人より血の巡りが悪いんだな・・ああ俺は間抜けなんだ、馬鹿が太鼓をしょって歩いてんだ』ってことを忘れちゃいけないよ?
やかましいこん畜生!
何を言ってやがんでい本当に!言いてえことを言いやがって・・脅かしちゃいけねえよ、悔しいねえ本当に、今度いっぺん脅かしてやろう!冗談言っちゃいけねえや!あんなもんになめられちゃたまるか本当にな!
こっちが下手に出てるからいい気になりやがっていいてえこと言っちゃうんだ、今度はひとつ脅かしてやろう!
何を言ってやがんでい!こん畜生!てめえなんざ出ていけ!女なんて世間にいくらもいるんだぞ!ぐずぐずしてるってとかっぱらうぞこん畜生!
えぇ、こんちわ・・
変な者がおるな・・なんだその方は!
えぇ~道具屋でございますがな!道具屋!
おぉ・・道具屋!最前承っておったな、通っても構わんぞ?
あ、そうすっか、へえどうもありがとうございます!
へぇ・・どうも驚いたな・・ちゃんと俺が来るのが分かってんだな・・始めて入ったこんな所へ・・はぁ~綺麗なもんだなぁどうも・・
植木なんざずいぶんなんだな・・手入れが行き届いて、職人がずいぶん入るんだねこういうとこにはねぇ・・砂利だってすげえじゃねえか、大きさが同じようだな・・屋敷は綺麗だなぁ・・
屋敷は綺麗だけど、太鼓はずいぶん汚えよなぁ・・なるほど、かかあの言う通りだ・・『こんな汚い太鼓を持ってきた無礼な道具屋ぁ!』って言われたらしょうがねえから、『さようならぁ!』ってんで帰って来ちゃおうかなぁ!こっちは逃げんのはは早いんだよ?
大きな松の木が植えてあるねえ・・嫌なこといいやがんだ本当にかかあは・・しょうがねえなぁだんだん嫌な心持になっちゃったな・・
帰っちゃおうかしら・・帰ったってまた迎えにくるだろうしなぁ・・しょうがねえここまで来ちゃったんだ、どうとでもなれ本当に・・・
ここだな・・・こんちわ・・えぇ・・お頼み申します・・お頼み申します!・・お頼み申します!!
通~れ・・おお最前の道具屋か!待って居ったぞ!?
 

part3へ続く

 

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【火焔太鼓を聞きたい方へ】

 

 

 

火焔太鼓 (1957)

火焔太鼓 (1957)

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