僕らと映画と落語と

どこにでもいる普通の大学生が普通から脱却するため、ブログ始めました。片方は映画、もう片方は落語についての記事を書きます!

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【映画紹介】何だってわかる、自分以外のことなら。「ヒミズ」

んにちは。

ぁゃゃです。

 

回は、「普通」を求めて奔走する少年の姿を描いた

ヒミズ

を紹介します。

 

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①映画情報とあらすじ

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映画情報

公開日:2012年1月14日

監督:園子温

原作:古谷実

出演:染谷将太二階堂ふみほか

制作国:日本(2011)

上映時間:129分

あらすじ

実家が貸しボート屋を営む中学3年生・住田祐一の願いは「普通」の大人になること。クラスメートの茶沢景子の夢は、愛する人と守り守られ生きること。大人びた雰囲気を持つ住田に恋する茶沢は、彼に猛アタックをかけ、疎ましがられながらも住田との距離を縮めていけることに喜びを感じていた。

そんな折、借金を作り蒸発していた住田の父が戻り、住田に暴力をはたらくようになる。さらに母親は中年男と駆け落ちし、住田は天涯孤独の身となってしまう。

そして、ある「事件」をきっかけとして住田は「普通」の人生を全うすることを諦め、自分の目的を、世の中の「悪党」を見つけ出し、自らの手で殺すことと定める。

www.youtube.com

 

②見どころ(ネタバレなし)

主演の圧倒的演技力

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画「ヒミズ」の主演を務めるのは、当時19歳の染谷将太と当時16歳の二階堂ふみです。

この2人の高い演技力が魅力です。彼らの演技力は世界でも絶賛され、第68回ヴェネチア国際映画祭最優秀新人賞をW受賞するほど。

染谷将太が演じるのは「普通」の生活を望むボート屋の息子、住田二階堂ふみが演じるのはそんな住田が大好きな茶沢。どちらも感情の起伏が激しく、難しい役柄のように見えますが、そんな役を完璧以上に演じ切る2人。

彼らの圧倒的な演技力に注目です。

 

普通ってなんだ?

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画「ヒミズ」では、「普通」の生活を望みながらも、その「普通」の生活からかけ離れていく現実に苦悩する少年の姿が描かれています。

主人公の住田はこう言います。

「大きな幸福もないけど、きっと大きな災いもない、俺はそれで大満足なんです。」

よく考えてみれば、「普通」っていったい何でしょうか?

どこまでが「普通」でどこからが「普通」じゃないのでしょうか?

あなたの考える「普通」は、ほかの人にとっての「普通」なのでしょうか?

映画「ヒミズ」は、何気なく使っている「普通」という言葉の意味を考え直すいい機会になるでしょう。

ヒミズ

ヒミズ

 

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③感想(ネタバレあり)

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人的に印象的だったのは、作中でちょくちょく登場するヴィヨンの詩の「軽口のバラード」の一節です。

 

牛乳の中にいる蝿、その白黒はよくわかる

どんな人かは、着ているものでわかる

天気が良いか悪いかもわかる

林檎の木を見ればどんな林檎だかわかる

樹脂を見れば木がわかる

皆がみな同じであれば、よくわかる

働き者か怠け者かもわかる

何だってわかる、自分以外のことなら。

 

自分のことって、わかっているようで全然わかってないものなんですかね。

高校倫理で学習するソクラテスの「無知の知」のようなものにたどり着いた主人公住田は、絶望し「俺は誰なんだよ」と包丁を振り回し暴走します。

そんな彼を救うきっかけとなったのは彼の両親や中学の先生ではありません。茶沢やボート屋の近くに住むホームレス、そして「お前には腐るほど道があるのに勝手に自分を追い込んでいる」と諭すヤクザの親分たちでした。ときに鬱陶しいと感じるほどに住田に注がれる彼らの愛情が、彼にとって重要な役割を果たします。帰ってきた住田を迎えて行われた、ささやかなパーティーシーンの住田の何とも言えない微笑みが最高です。

住田と茶沢の中学校の先生が放った「頑張れ」や住田の母の置手紙の「頑張れ」。

ラストシーンで住田と茶沢が叫ぶ「頑張れ」。

両者の意味合いの違いであったり、重みの違いがあまりにも印象的ゆえに後者のシーンは感動間違いなしです。

また、見どころでも取り上げたように、「普通」って一体何なんでしょうね。

一人一人に個性があり、一人ずつそれぞれの生活があるわけですから、「普通」という言葉の定義づけは不可能に近いと思います。住田のいう「普通」はかなり没個性的で、個性追及の放棄のようなものが感じられます。それこそ、自分をわかっていない、わかろうとしていない故の「普通」の追及なんでしょうね。

両親はクズで、取り返しのつかないことをしてしまった住田。彼にとって、そんな彼の生活はもう「普通」とは言えないのかもしれませんし、世間から見ても「普通」ではないのかもしれません。

それでも彼は生きることを選びます。

生きていれば何か良いことがあるかもしれない。まだやり直せるんじゃないか。

絶望の中に、そんな細々とした希望を見出したラストシーンがとても美しいです。

ちなみに、映画「ヒミズ」は東日本大震災の影響を受けて内容が組まれており、原作漫画とは大きく内容が異なるらしいです。僕も未読ですが、原作漫画も併せてチェックしてみてください!

ヒミズ(01)

ヒミズ(01)

 

おわりに

かがでしたでしょうか。映画「ヒミズ」は、ストーリーは重めですが、とても内容の濃い作品となっています。ぜひ鑑賞して「普通」とは何か?を考え直してみてください!

 

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