僕らと映画と落語と

どこにでもいる普通の大学生が普通から脱却するため、ブログ始めました。片方は映画、もう片方は落語についての記事を書きます!

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落語【もう半分】part1 

 

こんにちわ!ヨンスです!

 

今回の演目は【もう半分】です!この演目はどちらかと言えば少し怖~いお話です・・・どういう意味でもう半分なのでしょうか?お楽しみください!

 

 

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まだ東京が江戸と申しておりました時代に、千住の通新町というところに一軒ぽつ~んと居酒屋がございまして・・

 

そのあたりは大分寂しいところで、そこに一軒あるだけでも救われると言えば救われます・・・十人も入るってとぎゅうぎゅうになってしまうような小さな店でございます。

 

店の真ん中に少し大きめの台が置いてありまして、周りに腰掛けにする酒樽がず~っと置いてあります・・・夫婦二人きりでもって商売しております・・

 

この店が繁盛するというのは、周りに他に店がないということもあるんですが、何よりもやっぱりそこの亭主の働きでございます。

 

酒の調合がいい、量りがいい、そして亭主が自分で作るつまみですな・・大したものはないんだけれども中々みんなうまい。そして安いんですから酒飲みにとってこんなに嬉しいことはございません・・・

 

それだけじゃなくて、この亭主は中々世辞がいい・・ですから店の中がいつでも穏やかな雰囲気で、のみに来ていても、とても気分がいい・・・

 

だから一度来た人は必ずまたやってきます・・そういう人の顔もちゃんと覚えてくれるんですからこんなに嬉しいことはありませんな・・・

 

昼間、飯も出しておりますから昼時になるってと、もういっぱいの人になって、中々結構繁盛します・・

 

ところが、昼間はいいんですが、夜になるってとどうもいけないというのが・・周りが寂しいところですから、そこまでわざわざというお客様がいない・・・常連というのが、大体そこら辺をふらついている馬子さんだとか、あるいは出商人の人たち、近くに仕事に来ている職人の人たちなんという人がお馴染さんですから、商売が終わって帰りに一杯ひっかけるってとすっとすぐ帰っちゃう・・

 

だから夕間時ちょっとは賑わうんですが、それが過ぎるってともうお客様が参りません・・

 

ただ、人が全く通らないかってとそういうこともございませんで、千住にあります遊び場に行こうという人が店の前を通るんですが、なんせ遊ぶことを考えておりますから、店によって一杯ひっかけるなんてことは考えていません・・早く女に会いたいというんでどんどんどんどん素通りしてしまいます・・・

 

だからもう夜は早いうちに店を閉まってしまう・・今日もお客様はもうほとんど来ないだろってんで亭主がのれんを店の中入れて、さあ閉めようとしたところへ・・・

 

 

こんばんわ・・ごめんくださいまし・・
あっ、どうもこんばんわ、八百屋のおじいさん!さあさあどうぞ!
 

年頃65,6になります、痩せ気味のおじいさんで、目がくぼんでおりまして、鼻がつ~んと高い・・頬がかけておりまして、まあ出商人でございますから日に焼けております・・もうとにかく布子のような、肩の落ちちゃったひどい着物を着ておりまして、小倉のよれよれの帯をしめて、尻を端折っている下から、つぎはぎだらけのももひきを履いて、薄汚れた足袋を履いてね・・俗にいうひやめしという草履を履いて、すっと入ってきた・・・

あいすいません・・・おしまいになるところ申し訳ございません・・・
いえいえ!構いません構いません!お客様がいれば、商売してるんですよ!お客様が来ないから早めに閉めちゃおうってんで、別に早くに休もうってんじゃないんですから、のれんは中に入れてありますが、まあ気にしないで、さぁどうぞ!中にお入りください!
そうですか、それじゃあまあひとつ・・
いやあ・・まあなんですかなあ、今日はくたびれましたなあ・・恐れ入りますが、いつものようにお酒を半分いただきたいんでございますが・・
ああそうですか、へい!お待ちどうさまで!
あ、どうもありがとうございます・・いやぁ~どうも、飲ませていただきます・・
・・ごくっ・・ごくっ・・はぁ~・・ふぅ・・
いやぁ・・もうお宅の前を通りますとね、素通りできませんよ・・
真っすぐうちに帰ろうと思って、今日ちょっと訳がありましてね?ええ、今日は商売じゃあないんですよ・・ちょいと用足しがありまして、その用が長引いちゃったんです・・真っすぐ帰ろうと思ったんですが、もうこの前を通ったらもうどうしようかどうしようかと思ってねぇ、へっへっへぇ・・どうも一旦は通り過ぎて先行ったんですけど・・もう腹の虫が収まりませんで・・戻ろうよぉ~帰ろうよぉ~ってんです
で、まあ虫の顔を立てて戻ってきました・・・
・・・ごくっ・・ごくっ・・はぁ~・・もうこちらのね、お酒をいただくってともう他じゃあ飲めませんよ・・
真に調合がいいし、また量りもいい、それでいて安いってんですから他へは行かれません・・・
もう半分、お願いします・・・
へえ、かしこまりました!
どうぞ!
ありがとうごぜえます・・・
ん?旦那?これ・・・半分より多くございませんか?
いやぁ、いいじゃあありませんか、どうぞやってください、ほんの気持ちですから・・・
いやあそれにしても、今日はもうお見えにならないと思ってましたよ、大分遅かったんで・・
そうなんですよぉ、商売だともうそろそろいいかってとすぐ切り上げて来れるんですが、用足しってのはこっちばっかりの都合じゃあありませんから遅くなっちゃって、へっへっへ・・どうもすいません・・・
・・ごくっ・・ごくっ・・はぁ~・・もう若い頃から私は飲むばかりですよ本当・・へっへっへ・・今になるとああ飲めて良かったなって思いますよ、年をとってくるってとだんだん楽しみが失くなってきますからね・・
商売してる時でも終われば飲めるんだと思えば、それがね、励みになりますからね?結構なもんですこのお酒っていうものは・・
ごくっ・・・ごくっ・・恐れ入りますが・・もう半分くださいな
へい、かしこまりました。・・へい、どうぞ!
ありがとうごぜえます。すいませんねえ、なんにもつまみをとらないで・・
いえいえ!気にしないでください!うちはお酒を売るのが商売ですから、おいしく飲んでいただければそれでいいんですから
それよりも前から聞きたいなぁと思ってたんですが・・どうしてそうやって半分半分って召し上がるんです?うちは量りはきちっとしてるんでねえ、半分ずつ二回飲んで一杯、もう全く変わらない、同じなんですよ、ええ・・
まあ他のお客様で、今日はちょっと飲み過ぎたんだけどあともうちょっと飲みたいから、いっぱいだと多いからもう半分だけなんというお客様には勿論差し上げてるんですが、おじいさんみたいに初めから半分ずつ飲むという方はうちじゃあ始めてで、あの~みんなでもって話をしてたんですよ、一体どういう訳なんですか?
はあ・・そうですか、やっぱり気にしてらした・・へっへっへ・・いや別にこれと言って深い意味がある訳じゃあないんです、ええ、まあ早い話がしみったれなんでしょうねぇ・・
なんかねえ・・仮に一杯ずつを三杯いただくより、半分ずつ六度いただいた方が何か余計飲めるような気がするんですよ・・ええ、何か事実よく酔うような気がしますな・・ええ・・そんだけ楽しめるから・・
へっへ・・他じゃ嫌がられるんですが、ここじゃ安心して飲めるから甘えてやってますが、これねえ・・不思議なもんでやっぱり半分ずつ飲んでる方がはるかにうまいんですよ!ええ!真にすいません・・
もし気になったら・・・
ごくっ・・・ごくっ・・・はぁ~・・
ええ・・もう半分下さいな・・・
 

なんてんで、妙な癖のある人で、もう半分もう半分と六度、三杯ですな・・飲んで・・

ああいい心持ちになりました!じゃあいつもと同じでよろしゅうございますか?
へえへえ、それじゃあここにお帳目(お勘定)置かせていただきます・・
ありがとうございました!
こちらこそ!ありがとうございました!
 

おじいさん出て行ったので、一旦表を閉めて・・お帳目をちゃんとしまって、茶碗を片付けて台ふきを持ってきて、そこんところを拭いていて、ひょいっと見るってと・・おじいさんが座って降りましたすぐ隣の空樽の上に風呂敷包みのようなものがある・・・

なんだろう・・あ、おじいさん忘れて行ったんだ・・まだいるかな?
あ、行っちゃったか・・・しょうがねえな・・まあいいや、明日また来るだろうからなあ・・
う~ん・・なんなんだろうなぁ・・
 

ってんで中身を見るってと、二十五両包みが二つ・・まあとにかく五十両という金は大金でございまして・・

 

part2へ続く

 

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【もう半分を聞きたい方へ】 

 

 

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