僕らと映画と落語と

どこにでもいる普通の大学生が普通から脱却するため、ブログ始めました。片方は映画、もう片方は落語についての記事を書きます!

MENU

落語【しじみ売り】part2

【スポンサーリンク】

 

は、はい・・あれは三年前です・・うちの姉ちゃん新橋の所でもって芸者やってたんです・・・
ほぉ・・じゃあ綺麗なんだ?
は、はい!すっごい綺麗です!すっごく綺麗でお客さんもいっぱいきました
中でも紙問屋の若旦那で正之助さんて人が姉ちゃんのこと好きになって、 姉ちゃんもその人が好きになって・・じゃあ一緒になろう! って言ったのにのに若旦那の両親が、芸者なんかと一緒になんてさせられねえ!と言うんで、 会わせてもらえないので二人で旅出ちゃった・・
ふ~~ん・・・それはかわいそうだな・・・で、どうしたい?
しばらくして箱根ってところに泊まってたら雨が降って、動けなくなって、 部屋にいたら隣のふすまが開いて、人相の良くない二人が入ってきたんですって・・・
で、姉ちゃんは色んなとこで三味線聞いてもらってお金稼いで、若旦那は碁で色々な所で教えてあげて旅してたんですって・・
二人がつまらないから碁でもやろうって言われて、 若旦那は碁が好きですし上手ですから、じゃあやりましょうってやったんですって・・
そしたら・・・しばらくしてから、どうも気が入らない、 金がかかってないとつまらないとか言ってお金を賭けようってことに なって、でも若旦那は上手で強いですから、いいですよって始めたんです・・・
一両かけようって若旦那が勝って、また一両かけようってまた若旦那が勝って・・・
そしたら向こうが少ないからだもっと大きく賭けよう、 5両って・・・やってみると若旦那が・・負けるんです・・
それでまた1両にすると若旦那が勝って、10両って言うと向こうが勝つんです。 お金が少ないと若旦那が勝って、大きいと向こうが勝つんです
そりゃあイカサマか?
後でわかったんですって・・・2人はもうすっごい、そこらあたりではみんな知ってるんですって・・悪い2人で・・ 気がついたら百両負けてて、二人が払ってもらおうって言うけど、 若旦那はそんなお金ありませんって言うと、じゃあそこにいる女をもらっていくって 言うから、若旦那はそれだけは止めてくださいって言って一生懸命止めるんですけど、相手は二人で殴ったり蹴ったりしながら 姉ちゃん連れて行こうとしてもうあの時は・・・ ダメだと思ったって、若旦那そう言ってました・・
そしたら反対側のふすまが開いて、ひとり入ってきたんですって・・・ すごいいい男の人だったって姉ちゃんそう言ってました・・・
隣で聞いてれば同じ江戸からの人が困ってるのは見捨てちゃ置けないから、助けに来た。 お前たちそんなに金が欲しかったらこれを持っていけ!』って言って懐から百両出して、 二人に投げつけたんですって・・・
百両?
二人は慌てて拾ってありがとうごぜえましたありがとうごぜえましたってペコペコして、 そしたらその男の人が仲直りの印に一杯飲もうってなって、お酒を飲み始めたんですって・・
お前たちサイコロはできるのかって聞いたら、二人もできると言うので、サイコロでもやって遊ぼうと言って、 サイコロ使ってまたお金かけたんですって・・
そしたらその男の人がすっごく強くて 渡した百両全部取り返しちゃったんですって・・
お前たちみたいな弱いものだとみるとつけこんでくる奴はとても許せない!今役人呼んで引き渡すからそのつもりでいなっ!』って言ったら二人はもう転がるようにして逃げて行っちゃったんですって・・・
で、そのあと何で二人でこんなところを旅をしてるんだ?って聞かれて、 おとっつあんとおっかさんが許してくれないからって話をしたら、
それは必ず話せば分かってもらえるからあきらめないで話をしなさい、ただ、このまま江戸に戻ってもしょうがないか ら、せっかく来たんだったらお伊勢さんにお札をもらって帰って、 それをおとっつあんとおっかさんの前に出して頼めば必ず許してもらえるからって、 ここに五十両という金があるからこれを持って旅をしなさいって言って、五十両くれたんですって・・・
俺はどこどこのこういうものだからもし願いが叶ったら、訪ねて来てくれたら 祝いの酒で一杯飲もうってそう言って下さったんですって・・・
姉ちゃんと若旦那はホントに!!嬉しかったってそう言ってましたよ・・・
・・・いい話だな
ねえ兄貴!!いい話ですよねえ!何お前こんな話お前もったいぶらねえで、 ポンポンポンと言やぁいいじゃねえか!
おじさん聞いてたんですか?
聞いてるよ!!なん・・
いいから!お前は・・おじさんもいい話だと思う・・それからどうしたい?
ここまではいい話なんです・・・
それからお伊勢様に向かって旅をしてたら、 どこかの宿で朝起きて帳場の所でお金を払ってたら、何人ものお役人がどかどかどかっと 入ってきて、急に若旦那の手ぇつかんでこの金はどうした!!って言われたんですって・・
何が何だかよく分からないけど、どうしたんですか?って聞いたらこの金はある屋敷から盗み出されたお金だ!ここにちゃんと印がある。こっちへ来い!!って言われたんですって・・
でも違いますこれはもらったんですって言えばよかったのに、若旦那拾ったんです って言ったんですって・・・
何でそんなこと言ったのって聞いたら、 助けて下さった方に恩を仇で返すわけにはいけないから、拾ったでいいんだって・・・
だってお役人に拾ったってどこでだ?って聞かれて、そんなの嘘なんだからどこどこで拾いましたって言っても、すぐばれちゃうでしょ? この二人は連れて行け!って言うので・・とうとう連れてこられて今若旦那は牢屋の中にいます
姉ちゃんは家にいますけど大家さんが見張ると言うので家にいます・・
でも毎日若旦那がかわいそうだかわいそうだって食べる物も喉を通らなくて・・ どんどん痩せてもう動けなくなって・・・
若旦那が言ってくれればいいんです・・・若旦那がもらったって言ってくれれば、 若旦那は・・戻って・・来れるのに・・戻って来れればあたいもしじみ売らなくて いいのに・・・
でも恩を仇で返すわけにはいかないからって言って、ずっと言わないからあたいはしじみ売ってんの・・
あたいだって欲しいよこのお金・・・欲しいけど 姉ちゃんが毎日そう言うから・・もらえない・・・
話はこれで・・おしまい!あたい喉乾いちゃった!
・・・熊ちょいとそこの鉄瓶の湯冷ましてやんな・・・
そうか・・大変だったな・・だけどな坊主・・ここにあるこの金は そんな金じゃねえんだ・・・安心して持ってきな
姉ちゃんが泣くから、まあ渡すときこう言ってみな・・・この金をくれたおじさんが こう言ってたとな・・
大変だったな・・でもまあ印がついてたってことは刻印があったってことこったな・・ してみりゃあそれは盗み出された金だ・・・ということはその人は泥棒ということになるな・・・
でもな泥棒だってきっと命懸けだい・・・せっかく命懸けで盗んだ金をそうむやみに 人に渡さねえんじゃねか?本当に助けてやりたいと思ったからくれたんじゃねえのかなと・・
気持ちの入ってねえ堅気な金よりよっぽど・・・まあありがたいと思わなきゃあ やってられないんじゃないかなと・・・まあまあまあくれた人がそう言ってたと・・・ ひょっとしたら受け取ってくれるかもしれねえじゃねえか
もし断られたら ここ戻ってこい・・な?おじさんまだずっとここにいるから・・・なっ!どうだい?
・・・ありがとうござえます・・ありがとうごぜえます・・そう言って渡します・・ おじさん本当ににありがとうごぜえます・・
うん・・それからその卵焼きつつんでもらって持って帰んな・・転ぶんじゃねえぞ。 気を付けてな・・これからもな・・おっかさんと姉ちゃんのために・・一生懸命やりな・・なっ・・
ありがとうごぜえます・・・それじゃあ帰ります・・
そっちの何にもくれなかったおじさんも ありがとうごぜえました!!
うるせえなこの野郎!!お前~最後っ屁か!この野郎~!!閉めてけ閉めてけピタッと!!
ホントにまあ~~!!兄貴~あんなガキに五両もやることはないじゃないすか!! ペラペラペラペラ・・ホントか嘘かもわかりゃあしないじゃねえですか!?
まあそうだな・・そうかもしれねえ・・でもホントのことだからしょうがねえやな・・
(熊)え?
確かに三年前だったな・・箱根の宿でもってもめてる男と女・・ 援けてやろうと思って行った・・・
・・五十両やったのは俺だい・・
あ・・兄貴だってんですか?
弱いもの相手にやりたい放題・・癪に障る野郎だなんとかしてやらねばと思って 盗みに入って取った金三百両・・
刻印がついてるとは思わなかったな・・・
あくる日の出来事だい・・盗んだ金を調べる間もなかった・・・ で、あとは世間にまいちまった・・・ 早え話があの坊主にしじみ売らせてんのは俺だい・・
でもさ、姉さんのこと兄貴は助けたんじゃないすか!!
まあそうかもしれないが・・若旦那っていう男だよ・・
口割れば済むのを、恩をあだで返せないって口割らずに牢屋の中にいるんだから・・ 聞かなきゃよかったな・・・
兄貴!!兄貴はいいことしてんのにそんな・・・
しょうがねえやな・・・なあ熊・・年貢の納め時だな・・ いまさらながら名乗って出るか・・
兄貴!!戻って来れねえよ!!兄貴の助け待ってる人もたくさんいるのに!! 兄貴がいなかったらその人たちはどうなるんだよ!!
お前が救ってやるんだよ・・・
兄貴~~!!
なんだってこんな場所で聞いちまったかな・・俺ぁ俺のために牢屋で歯食いしばって 耐えてる奴のこと知ってて枕高くして寝れるほど根性はねえからな・・ ここらでおわりだ・・行こうか・・
そんな兄貴・・
いいからよ・・
おう親父!!ありがとうな!!
あっ!ありがとございました!!
おう!銭はここに置いた
え?いやこんなにもらえないですよ!!
いいってことよ、また今度来た時な、頼むよ・・
そうでございますか・・・ありがとうございました!!お気をつけて・・
 

店の主の声を背中に受けて表に出てまいりましたこの男・・・

 

江戸は文政年間。九十九の屋敷に忍び込みまして三千両もの金を盗み出し、 世間の貧しい人々に分け与えたところから、義賊と言われました、 ご存じ鼠小僧次郎吉・・・その人でございます・・

寒いな・・また雪か・・シャバで見る雪はこれで見納めかもしれねえな・・
兄貴~~行かなきゃならねえのかよ~!!
ああ・・人のために行くんじゃねえ・・自分のために行くんだよ・・
ああそうだ・・これから別れたらよ俺の家行ってくれ・・ 奥の六畳間、畳をあげるとでっけえ袋の中にさらに袋が二つある・・・ 勿論金だ・・・お前が世間にばらまいてやってくれ・・・頼んだぞ・・
兄貴・・俺が代わりに行く!!俺が代わりに・・・
わかったわかった・・大きな声出すなよ・・なっ、お前が今そう言ってくれただけで 十分だ・・
もし俺たちのやってることが間違ってなけりゃ お天道様が必ずまた俺たちを引き会わせてくれる・・・ それ楽しみに生きようや・・・
じゃあ・・あばよ・・
おじさ~~ん!!おじさ~~ん!!
おう?坊主?どうした坊主!?
あんまりうれしかったもんでざる置き忘れて帰っちゃった!!
なんだ、おう坊主・・しじみ屋がざる忘れたらなんねえからな・・大事な商売道具だ・・あったか?
ありました!
おじさん・・ おじさんのこと忘れないよ・・・
おう、おじさんもお前のこと忘れない・・
そうだ坊主・・近々いいことあるぞ・・
え?ど・・どんないいこと?
そうだな・・お前さんがもうしじみも売らなくてもいいくらいだな・・
あ!わかった!!
わかった・・けどさ・・でもなんか いくらなんでもおじさんに悪いな・・・
悪いなって・・お前・・俺が何をするのか知ってんのかい?
知ってるよ!
あたいの代わりにしじみを売ってくれるんだ
 

終わり

 

 

f:id:messicoo:20171214185817j:plain

 

 

 

【しじみ売りを聞きたい方へ】

 

 

 

しじみ売り (@S31.2.13 )

しじみ売り (@S31.2.13 )

 

 

 

 

 

 

【スポンサーリンク】

 

クラウドソーシング「ランサーズ」